提示された慰謝料に納得できない方へ
保険会社の基準
保険会社から提示される賠償額は,裁判で認められる額より低いことが多いと言われています。
特に大きな負傷事故や死亡事故では,保険会社の提示する慰謝料と裁判基準との差が大きくなる傾向があります。
裁判における慰謝料の相場を知っている弁護士が損害額を計算し,被害者の代理人として保険会社と示談することで,慰謝料を増額できる場合があります。
慰謝料算出の仕組み
慰謝料は①入通院に対する慰謝料と②後遺障害に対する慰謝料に分けられます。
両慰謝料の算定方法は以下のとおりです。
①入通院慰謝料…入院・通院期間に対して,支払基準を適用する
②後遺障害慰謝料…後遺障害等級に対して,支払基準を適用する
保険会社も,原則としてこの計算方法に従っているようです。
しかし,保険会社の基準で算定した額は,弁護士基準(裁判基準)で算定した額よりも,低額になると言われています。
例
①入通院慰謝料
2か月入院後に2か月隔日通院した場合
・自賠責保険基準による入通院慰謝料 …… 25万2000円
・弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料……127万円
②後遺障害慰謝料
後遺障害等級6級に認定された場合
・自賠責保険基準による後遺障害慰謝料 …… 498万円
・弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料……1200万円
慰謝料算出の難しさ
上記の額は試算です。実際の慰謝料の算出には,たくさんの資料を集めて,これらを法的に評価することが不可欠です。
インターネット上には,慰謝料の試算方法の記事が散見されますが,そのまま信じてしまうと,不当に高額を請求したり,相場より低い額で示談を済ませたりする可能性があります。
保険会社の提示する慰謝料に納得がいかない場合は一度弁護士に相談することをお勧めします。
保険会社との示談の難しさ
妥当な慰謝料を主張するには,多大な労力と専門的な知識が必要になります。
しかも,慰謝料の額を争う相手は,プロである保険会社の示談担当者です。
慰謝料の算出に縁のなかった素人が示談で渡り合おうとするのは難しいと言わざるを得ません。
保険会社の示談代行
被害者が自動車保険に加入している場合,加害者の保険会社との交渉は被害者の保険会社の担当者がやってくれることもあります。
しかし,保険会社同士の交渉となるため,通常は保険会社の基準に従った慰謝料となることがほとんどです。
慌てて示談をしないこと
傷害事故で入院が長引くと収入がなくなり生活が苦しくなることがあります。
そのため,慌てて示談に応じる人もいるようです。
しかし,後に示談で定めた慰謝料が低額であることがわかっても,一度成立した示談の内容を覆すことは難しいです。
当面の治療費等に困っている場合は,自賠責保険の仮渡金・内払金制度を利用することをお勧めします。
仮渡金は負傷の内容によって額が決まっており,請求から1週間ほどで支払を受けることができます。
内払金は,既に確定した治療費や休業損害を10万円単位で請求するものです。
総額が120万円になるまでは何度でも請求できます。
仮渡金・内払金の制度を利用しながら,妥当な慰謝料かを判断するとよいでしょう。
妥当な慰謝料の額を知りたい方
提示された慰謝料に納得ができない方は,一度,御相談ください。
交通事故の相談は初回無料です。
その際,損害賠償の見積りも併せて行います。